オープンデータライセンスにはどのようなものがありますか?

データや創作物のためのライセンスとしては、以下がオープンデータに使用可能なものとして代表的です。

  • クリエイティブ・コモンズ
  • オープン・データ・コモンズ
  • パブリック・ドメイン

この記事では、主にクリエイティブ・コモンズについて説明します。

クリエイティブ・コモンズ

クリエイティブ・コモンズは、データや創作物一般に対して使えるライセンスです。オープンデータだけではなく、音楽、映像、写真、イラスト、小説など、あらゆる創作物に使用できます。

CC0

CC0は、「著作権を放棄する」意思を示すためのものです。著作物にこのライセンスを付与すると、その作品に関する著作権や著作隣接権を放棄し、その作品がいかなる使われ方をしても訴訟を起こさないことを表明することができます。

利用者は、CC0を付与された作品やオープンデータを、いかなる権利表記や原作者への配慮をすることなく、完全に自由に使うことができます。

CC BY

CC BYは、「原作の著作権表記さえされていれば、自由に使ってよい」という意思を示すためのものです。クリエイティブ・コモンズは現在バージョンが4.0となっており、1.0から4.0までの各バージョンで利用者が表記すべき内容の厳密なものはこちらに掲載されています。この文書では難しいため、権利表記の仕方の例がクリエイティブ・コモンズ公式サイトに示されています
以下に簡単な日本語を示します。

理想的表示

Creative Commons 10th Birthday Celebration San Francisco” by tvol is licensed under CC BY 2.0
作品名、作者名(作者のプロフィールページへのリンク付き)、原作へのリンク、ライセンス(CC BY 2.0)が示されています。

かなりよい表示

Photo by tvol / CC BY
作品名はないですが、作者名、原作へのリンク、ライセンスへのリンクが示されています。

誤った表示

Photo: Creative Commons
タイトルも、作者も、原作へのリンクも、ライセンスも示されていません。

わずかに変更した場合の良い例

Creative Commons 10th Birthday Celebration San Francisco” by tvol, used under CC BY / モノクロ化したもの
作品名、原作者、原作へのリンク、ライセンスがすべて示されており、原作との差異も明記されています。

派生作品を制作した場合の良い例

“90fied”は次の派生作品です: “Creative Commons 10th Birthday Celebration San Francisco” by tvol, used under CC BY.
“90fied” is licensed under CC BY by [あなたの名前].
原作の作品名、原作者、原作へのリンク、ライセンスがすべて示されており、派生作品の作者名も明記されています。

CC BY-SA

CC BYと同じ「原作の著作権表記」のほかに、「同じライセンスを継承して公開すること」を義務付けるものです。CC BY-SAで公開された作品やデータを改変・加工・重ね合わせなどして作ったデータも、CC BY-SAで公開しなければなりません。

これは「CC BY-SAで公開された作品の派生物を商用利用してはならない」という意味ではありません

「CC BY-SAで公開された作品の派生物はCC BY-SAで公開しなければならない」ということは、「CC BY-SAで公開されたものをもとに商品や商材を作ったら、それをCC BY-SAで公開すればよい」ということです。この手段は販売でも構いません。ただし、CC BY-SAを付けて販売した以上は誰かが再利用することを許諾する必要があります

つまり、CC BY-SAで公開されたデータと、オープンデータではないデータを組み合わせて新たなデータを作るときは、ライセンス違反に注意しなければなりません

CC BY-SAで公開されたデータをもとに作ったデータは、オープンデータではない情報が混ざっていたとしても、公開しなければならなくなるからです。

 

CC BY-ND

CC BYと同じ「原作の著作権表記」のほかに、「改変禁止」の条件を付けたものです。このライセンスのもとで公開された作品やデータは、複製や再配布は自由にできますが、加工することができません

これもCC BY-SA同様、商用利用を禁ずるものではありません。CC BY-NDのデータは加工されたり派生物の制作に使われない範疇であれば、利用することができます。

例えば、CC BY-SAの写真をきれいに印刷して販売するサービスや、CC BY-SAのデータをCDやUSBドライブに書き込んでインターネットが通じない地域に販売するサービスは、その販売品にライセンス表記が正しくされている限りはライセンス違反になりません。

CC BY-NC

CC BYと同じ「原作の著作権表記」のほかに、「非営利」であることを義務付けるものです。このライセンスのもとで公開された作品やデータは、加工や改変、重ね合わせなどはできますが、商用利用ができません

CC BY-NCで公開されたデータをもとに作ったデータは、営利目的でなく著作権表示がついていれば、自由に公開できます

CC BY-NC-SA, CC BY-NC-ND

CC BY-NC-SAは、CC BY-NCとCC BY-SAを組み合わせたもので、「非営利かつ同じライセンスを継承して公開する」条件下での改変・加工・重ね合わせなどを許諾するものです。他のライセンスで公開されたデータと組み合わせたときにライセンス違反が起こりやすいため、異なるライセンスで公開されたデータや作品と組み合わせる際は十分に注意してください

CC BY-NC-NDは、CC BY-NCとCC BY-NDを組み合わせたもので、営利目的での使用も加工や改変もできません


パブリックドメイン

パブリックドメインとは、直訳すると「公共領域」、誰のものでもないもののことです。「自ら著作権を放棄したもの」も含みますが、一般的には主に「著作権で保護される期間を過ぎた作品」、「法的に著作権が存在すると認められないもの」を指します。

例えば、日本国内法で保護されるもののなかでは、以下のようなものを言います。

  • 出願から20年以上が経過した特許
  • 著作者の死後50年経過した著作物
  • 相続財産の清算や法人の解散にあたり、帰属させるべき者が存在しなくなった知的財産
  • 著作者自身が権利を放棄した著作物

これについては、一切の権利表記等をすることなく使用することができます。


自由なライセンスを付与された作品の派生物も自由だとは限りません

上に上げたようなライセンスを付与された作品やデータは、そのライセンスが許す範囲で自由に利用することができます。一方で、作品の派生物には異なる権利が生じていますので、利用には注意が必要です。例えば以下のようなことに注意する必要があります。

  • 裁判所の判決文はパブリックドメインですが、判決文を解説したり考察した新聞記事はパブリックドメインではありません。
  • バッハの作った楽曲はパブリックドメインですが、それを1990年に演奏した音声ファイルはパブリックドメインではありません。
  • 1950年に演奏された録音はパブリックドメインですが、それを収録したCDから複製した音源をそのまま配信・配布することは複製権の侵害に当たります。
  • 「オープンデータを紹介するブログ記事」は、例えそれが「CC BY-SAで公開されたデータの紹介」だとしても、「データそのものの派生物」ではないためオープンなライセンスが付与されているとは限りません。
  • CC BYやCC0、パブリックドメインのような、自由な加工が許諾されたデータの派生物は、CC BY-SAのようにライセンスの継承を義務付けないため、全く異なるライセンスで公開されている場合や、著作権を一切解放していない場合があります。